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葉から着想を得た表面では液体の種類によって流れる方向が異なる

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

ナンヨウスギ属の葉の上に水を置くと、ある方向へ流れるが、同じ葉の上にエタノールを置いた場合は別の方向へ流れる。新しい研究では、この驚くべき発見を利用している。この植物の葉で観察された独特の液体輸送挙動に着想を得て、研究者らは液体の種類によって流れる向きが反対になるような表面を開発した。この方法は、マイクロ流体力学から塩水脱塩まで、多くの実用的用途への応用が期待される。表面における方向性のある液体輸送は、液体を引きつけるまたは斥けるコーティングや、特定の曲率をもつテクスチャを使えば実現できる。しかし、たいていの場合、液体輸送は一定方向に限られている。Shile Fengらは、ナンヨウスギ属の葉に沿って液体がどのように流れるかを調べた。この葉は、葉の先端に向かって傾いた爪状のものが、一定間隔で並んでいる。著者らは、表面張力の低い液体(エタノールなど)は、爪の傾いた方向、つまり葉の先端に向かって流れることを実証した。一方、表面張力の高い液体(水など)は、その反対方向へ流れた。Fengらはこうした観察に基づいて、これと同様に非対称な特性や性質をもち、2方向に内曲した表面を開発した。彼らは一連の実験を通じて、人工表面上に置いた液体の種類によって、自然に向かう方向が反対になることを示した。この方法を利用すれば、必要に応じて、液体伝搬を促進または抑制することが可能となる。また、表面上の液体が示す自動操舵性は、自己推進と高流速を伴う。


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