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植物の生殖構造は徐々にではなく、明確に区別できる2回の波で複雑化した

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しい研究によると、植物の生殖構造は2回の大きく分かれる波で複雑さが増し、それは種や花の発生などの重大な進化的革新によって引き起こされたと考えられるという。これらの研究結果により、動物における多くの形態的多様性が進化史初期に発生したのとは対照的に、植物における複雑さは大半がかなり遅くに発生したことが示された。陸生植物の進化には生殖構造の複雑化という特徴がある。最古の植物群は単純な生殖構造を持っていた。それに対して後の一部の植物群は、多くの特殊な生殖器官が緻密に並ぶ複雑に入り組んだ構造の花を持つように進化した。しかし、植物の生殖構造がいつ、どのように複雑化したかはほぼ解明されていない。Andrew Leslieらは、陸生維管束植物の生殖構造の形態的な複雑さをその進化史全般にわたって分析するための新しい手法を考案した。この手法では、植物の生殖構造をそれらの基本的な形態的構成要素 ―― たとえば、花粉嚢や花びらといった生殖器官 ―― に分け、器官の種類の数やそれらの構造を基にその分類群の複雑さの採点を行う。Leslieらは、植物の複雑さの経時変化を分析すべく、この手法を現存する植物および古生物学的記録の化石植物の1,338分類群から成るデータセットに適用した。その結果によると、植物における生殖構造は徐々に複雑化したのではなく、大きく分けられる2回の波で複雑化し、これらの間に植物の生殖生物学における主要な進化的革新が起き、それぞれの波の間には相対的に変化のない約2億5千万年があるという。1回目の波はデボン後期(3億7,500万年前まで)に起こり、この間に維管束植物の放散が始まり、結果的に隠花性種子植物が出現した。2回目の波は白亜紀中期(1億2,500万年前まで)に起こり、この間に顕花植物が出現し、急速に多様化した。


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