News Release

柔軟なチューブと空気から成る柔らかい肢により、動的・自律的な移動が可能なロボット

Summary author: Walter Beckwith

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

空気の流れと単純な物理的設計 ――― 道路脇で見かける「空気で膨んで踊るエアダンサー」のような構造 ――― のみを用いて、複雑な電子制御装置に頼らず協調的で自律的な動作を成し遂げるソフトロボットを研究者らが開発した。自然界において、動物は多くの場合驚くほど効率的に動く。動物はこれを、神経系と身体機構、環境相互作用をシームレスに統合することで行っている。このような分散協調により、動物は脳からの絶え間ない指示に頼らなくても効率的に動くことができるのだ。それに対して、ほとんどのロボットは自身の動きの調整を中央集中的な処理装置に大きく依存している。剛体ロボットやソフトロボットは、ボディダイナミクスや形態変化を利用して動いたり障害物を避けたりすることができるが、多くは四肢の欠如や時間がかかる逐次的な制御機構への依存のために、適応性が制限されたままだ。さらに、大きくて扱いにくいアナログ的設計によりエネルギー効率は悪く応答時間は遅くなるため、複雑な環境での実用性や自律的能力に限界がある。中央処理装置に依存しないすばやい動作を達成するために、Alberto Comorettoらは、空気の連続流のみを動力として自ら周期的に振動するロボット肢を開発した。この肢は湾曲したシリコンチューブから成り、空気の流れがない状態では、ねじれた形で安定を保つ。ところが一定の空気流を適用すると、自発的にねじれ状態と別のねじれ状態の間で振動し、300ヘルツに達する周波数ですばやい足踏み運動を行う。この運動は、圧力、ねじれ形成、チューブ抵抗のフィードバックループから生じており、機械的な「心拍」のようなものだ。Comorettoらは複数の肢を物理的につなげ、環境フィードバックを利用することで、電子制御なしでの同期歩行を実現させ、同等のソフトロボットを上回る速度でロボットを移動させることに成功した。また、これらのロボットは水陸両用でもあり、自動で歩行を変化させて入水と水中移動も行うことができた。この論文にご興味のある記者の方へ:このロボット工学プラットフォームの能力を説明する多数の動画を、著者らは提供しています。


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