image: 多様な生体集団の振る舞いを最適に制御する制御則を導く view more
Credit: 東京大学 生産技術研究所
東京大学 大学院情報理工学系研究科の堀口修平博士課程(研究当時)(現:金沢大学ナノ生命科学研究所特任研究員)と、同大学 生産技術研究所 兼 生物普遍性連携研究機構 小林徹也教授による研究グループは、不確実に変動する生体集団の振る舞いを最適に制御する理論的枠組みを構築しました。本研究では、制御コストとして情報理論に基づくf ダイバージェンスやその特殊形のKullback–Leibler(KL)情報量を導入することで、複雑な制御方程式を容易に解くことに成功しました。そして、分子モーターの輸送、生物集団の多様性維持、感染症の流行制御といった異なる文脈の問題に共通して応用可能であることを示しました。特に、集団サイズが指数的に変化する場合、制御難度の変化に応じて「いつ制御すべきか、いつ待つべきか」を状況に応じて自然に切り替える“モードスイッチング戦略”が最適解として現れることが分かりました。本成果は、確率制御理論の応用範囲を大きく広げるものであり、今後の医療・環境・合成生物学への貢献が期待されます。
Journal
PRX Life
Article Title
Optimal Control of Stochastic Reaction Networks with Entropic Control Cost and Emergence of Mode-Switching Strategies
Article Publication Date
26-Sep-2025