毎年Scienceの年初のEditorialでは、Scienceに関連する顕著な進展について編集長が考察する。今回のEditorialではHolden ThorpがAIに焦点を合わせ、「適切な方法で用いれば、AIによって科学界はより多くのことをできるようになる」とし、その方法について論じている。同氏はAIに対するScienceのポリシーとアプローチを再確認。本誌が使用しているのは厳選したAIツールである。例えばこの1年で、ScienceはDataSeerと協力し、掲載する全研究論文について基礎データおよびコードの共有を義務づけている本誌ポリシーへの遵守状況を評価している。「初回の結果は有望なことに、2021~2024年にScienceに掲載された論文2,680件のうち、69%がデータを共有していた」(関連するScienceのEditor’s BlogにDataSeerプロジェクトの詳細を掲載)。ただしThorpは、「AIは訂正すべき誤りや不足項目を論文から見つけ出すのに役立つが、その使用と出力結果の評価のために、必要な人的労力は減るどころか増えている」と指摘する。というのも、AIツールが生成したレポートを人間が評価しなければならないからである。「複数の姉妹誌も発行しているScienceは、各論文に比較的多くの人的労力を投入できており、文献における『AIによる粗悪な生成物』の蓄積の影響を受けにくいし、それへの寄与も少ない。だが人間であれAIであれ、すべてをキャッチできるシステムはない。テクノロジーにより文献の質が低下する可能性があるからこそ、人間の科学的な経験や専門知識で維持管理する記録の価値が高まる」と、Thorpは述べている。
Journal
Science
Article Title
Resisting AI slop
Article Publication Date
1-Jan-2026