News Release

ゴミ箱あさり:郊外に生息するオウムの複雑な文化の革新と普及

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

オーストラリアのシドニー郊外では、キバタンが日常的に蓋付きの家庭用ゴミ箱を荒らして食べ物をあさっている。新しい研究で、ゴミ箱を開けるという都会のオウム群の革新的な行動の出現と地理的な広がりが実証され、これらオウム群には社会的に学習される複雑な文化があることが明らかになった。さらに、この行動は土地利用の変化と都市化に対する直接的な反応として生じたと考えられ、このことは人新世において都市に住む動物群の文化が地域に適応できるようになった経緯を明示している。人為的な都市景観に特有の新規性といった生態学的新規性は、動物の文化に革新をもたらし得る。一般的に、動物の文化には動物群の仲間や世代間で共有される社会的に学習された行動が含まれる。複雑な認知能力を持つ社会的な種には様々な文化が確認されてきたが、動物種において永続的な文化と社会学習の見極めは依然としてむずかしい。近年、キバタンというオーストラリア東部の都市で徐々に増えてきている大きな脳と高度な社会性を身に付けたオウムが、家庭用ゴミ箱を開けて食べ物をあさっているのが確認されている。キバタンはこの新しく出現した革新的な採食行動で都市特有の環境下で入手可能な様々な資源を利用しているが、それがキバタンの採食行動における社会学習つまり文化かどうかは分かっていない。Barbara Klumpらは大規模な市民科学調査を活用し、大シドニー圏でキバタンがゴミ箱あさりをする地区を地図で示した。その地図によると、2018年以前、ゴミ箱をあさる行動は3つの地区でしか報告されていなかった。しかし2019年末には、社会学習を通じて44地区に拡散していた。直接確認した160のこの行動を分析した結果、キバタンのゴミ箱の開け方は特徴的で地区ごとに特有の方法があることが判明した。Klumpらは、キバタンの文化が複雑であることをこの新しい採食行動の革新、普及、地域差の出現から解説している。

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