News Release

コンパクトな光チップ上の高出力光増幅器

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

光集積回路設計における長年の課題に取り組むことで、研究者らは小型のエルビウム添加導波管増幅器によって、コンパクトな光チップ上で光が効率的で高出力に増幅されることを実証した。「このチップ上導波管増幅器について一つの興味深い可能性は、チップ上フェムト秒モードロックレーザーである」とJungwon Kimが関連するPerspectiveにおいて述べている。我々の日々のデジタルライフは主に超広帯域光ファイバーネットワークに依存しており、このネットワークによって全世界が接続されている。エルビウム添加ファイバー増幅器(EDFA)は、最初に1980年代に開発されて、長距離光通信に大改革をもたらしており、世界規模で超高速情報伝達が可能になった。さらに、この素子は、干渉計測その他の種類の光計測において広範囲に使用されるレーザー技術の開発にも極めて重要であった。技術進展に伴い、従来のエレクトロニクスベースの回路アーキテクチャーはますます、光ベースの技術によって置き換えられると予想されている。しかしながら、多くの場合、光集積回路では不十分な出力電力に苦しめられてきた。チップスケールのEDFAの様なインテグレーテッドアンプによって、この限界に対処するすることができ得るものの、数十年にわたる作業にかかわらず、その開発には課題が発生していた。今回、Yang Liuらは高出力で低ノイズのエルビウム添加導波管増幅器(EDWA)を紹介しており、これはコンパクトな窒化ケイ素フォトニックチップに組み込まれていた。このアプローチを採用して、今回の著者らは、寸法が僅かに1.2mm×3.6mmの実装面積の中にエルビウム添加窒化ケイ素導波管を製作した。Liuらによると、小さなチップベースの光集積回路を設計することで、(2.61mWの入力から)145mWのオンチップ出力電力が得られた。小信号利得が30dB未満であり、これは市販されているEDFAと同等である。今回の著者らによって説明されているエルビウム注入法によって、高出力ソリトンマイクロコム及び高パルスエネルギーフェムト秒モードロックレーザーの様な統合されたレーザー光源を始めとして、多様な素子用途向けの基礎が提供されうる。「イオン添加/超低損失窒化ケイ素導波管製造の主要な技術は成熟しているため、その様な素子の大量生産が可能である」とKimは当該関連するPerspectiveにおいて述べている。


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