News Release

組織統合バイオニック膝義肢により自然な脚の機能を回復

Summary author: Walter Beckwith

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

身体の筋肉と神経へ直接つないだ新たなバイオニック義肢により、大腿切断患者は従来の義肢を使用した場合よりも機敏性、精度、感覚認識に優れた動作ができる、と研究者らが報告している。義肢は、四肢切断患者の可動性を回復させるために広く使われているが、そのデザインと使用法は1世紀以上前からほとんど変わっていない。現代の義肢は個人のニーズに合わせて調整できるものの、さまざまなダイナミックな動作を可能にしたり、使用者に感覚フィードバックを返したりという点では依然として不十分である。従来の義足の進歩においては、機械的な強化により反復的な歩行を向上させることに焦点が当てられ、特に歩き方やバランスを変える必要がある場合の、幅広い複雑な自然な脚の動きについては看過されていた。その結果、四肢切断者は平坦でない場所での移動や階段を上るなどの動作に苦労することが多い。今回、Tony Shuらは、身体の生理機能に直接接続する埋め込み式神経インターフェースを用いた組織統合膝義肢を発表している。Shuらによると、このシステム――オッセオインテグレーテッド・メカノニューラル義肢(OMP:osseointegrated mechanoneural prosthesis)――には革新的な3つの機軸が統合されている。1つ目は神経筋の直接制御であり、これにより滑らかで適応的な動作が可能になる。2つ目は骨固定インプラント。3つ目は、主動作筋-拮抗筋神経系インターフェース(AMI:agonist-antagonist myoneural interface)であり、これは自然な筋肉の相互作用を再現して四肢の位置と運動の感覚を再構築するものである。臨床試験には大腿切断患者2名が参加した。どちらの患者においても、OMPシステムでは地形に沿った移動や座位から立位への移行など、さまざまな実世界での脚の動きで、可動性が優れていた。いくつかの制限は残っているものの、Shuらは、義肢の身体性と機能はOMPのような生物学的統合システムによってさらに向上させることができ、四肢喪失後のリハビリテーションや可動性、ユーザー体験において変革的な利益が得られる可能性がある、と示唆している。関連するPerspectiveではLee Fisherがこの研究について詳細に考察している。


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