News Release

高度に汚染されたティフアナ川の乱流が、地域の大気質リスクを高めている

Summary author: Walter Beckwith

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しい研究によると、ティフアナ川の汚染された水は、南カリフォルニアのビーチを汚染するだけでなく、有毒なガスやエアロゾルを放出して、それが川岸をはるかに越えて移動し、近隣地域の衛生も脅かしているという。米国とメキシコの国境にまたがるティフアナ川流域は、未処理の下水や、産業廃棄物、有毒な表面流去水が太平洋に流入することで、深刻かつ悪化する汚染危機に直面しており、長期にわたるビーチ閉鎖や持続的な環境衛生リスクが発生している。最も懸念されるのは汚染水との直接接触だが、汚染物質がエアロゾル化して空気中に浮遊し、川岸をはるかに越えて拡散している可能性を示す証拠も増えている。この経路を見落としていたということは、この地域では、汚染水との直接接触による曝露よりも吸入による曝露のほうが大きい可能性があるということである。世界人口の半分以上が川や運河の近くに住んでいることを考えれば、水質汚染が大気質に及ぼす影響を理解することは、緊急を要する公衆衛生上の優先事項だが、十分な研究は行われていない。

 

Benjamin Ricoらは、米国カリフォルニア州サンディエゴのティフアナ川河口付近で空中浮遊細菌および化学汚染物質を追跡した過去の研究と、川の近くに住む人々から寄せられた悪臭および健康上の症状に関する報告とに基づいて、川の乱流域がガスおよびエアロゾル排出のホットスポットである可能性が高いことを突き止めた。これを受け、著者らは大気質測定車を使用して、下水の分解時に発生する有毒ガスである硫化水素(H₂S)を、水質汚染の空中浮遊トレーサー(追跡子)として測定することにした。その結果、2024年の乾季に川の流量が記録的に増加したことで、H₂Sの排出量が急上昇し、夜間の最大濃度は4,500 ppbと、都市の標準レベル(<1 ppb)の数千倍に達したことを見出した。Ricoらによると、今回の研究結果から、汚染された川の乱流域はその地域の大気質に影響を及ぼすことが明らかになったという。既存の大気質モデルでは汚染された川や河口からの排出は含まれていないため、健康への影響を正確に予測し、吸入リスクに対処し、汚染軽減へ導くためには、これらの経路を組み込むことが重要である。さらに、H₂Sの濃度が極めて高かったことから、長年無視されてきた地域社会観察の有効性が裏付けられるとともに、社会から取り残された地域が負ってきた不均衡な負担も浮き彫りになった。「こうした現在進行中の環境リスクおよび公衆衛生リスクの影響を受けている地域社会に対して、長年奪われてきた保護と公正をようやく提供するには、持続的なモニタリング、国境を越えた協調的取り組み、および連邦、州、地方の当局によるリーダーシップが不可欠である」と、Ricoらは述べている。


Disclaimer: AAAS and EurekAlert! are not responsible for the accuracy of news releases posted to EurekAlert! by contributing institutions or for the use of any information through the EurekAlert system.