Article Highlight | 8-Apr-2026

世界最高性能の酸化グラフェン燃料電池開発に成功

A breakthrough in "interface engineering" by Kumamoto University clears the path for sustainable, high-power hydrogen energy

Kumamoto University

(概要説明)

熊本大学産業ナノマテリアル研究所の畠山一翔助教と伊田進太郎教授らの研究グループは、酸化グラフェンを固体電解質とした燃料電池の膜-電極界面の設計手法を開発し、燃料電池性能を大幅に向上させることに成功しました。酸化グラフェン膜は、高いプロトン伝導性と水素ガスバリア特性を併せ持ち、次世代のプロトン交換膜として期待されています。しかし、高いプロトン伝導性を示すにもかかわらず、これまでは最大でも0.25 W cm−2の出力密度しか得られていませんでした。本研究では、界面設計により、酸化グラフェン膜と電極との間の界面抵抗を大きく減少させることに成功し、酸化グラフェンを固体電解質とした燃料電池の最大出力密度を0.7 W cm−2まで向上させることに成功しました。この値は、ナノシートを固体電解質とした燃料電池の中では最高の値であり、同条件で測定した市販のフッ素系高分子膜(25 μm)を用いた燃料電池の出力密度に匹敵します。

本研究成果は令和8年1月6日に英国王立化学会が発行する科学雑誌「Journal of Materials Chemistry A」にオンライン掲載されました。

なお、本研究は防衛装備庁安全保障技術研究推進制度、科学技術振興機構先端国際共同研究推進事業(ASPIRE)、日本学術振興会科学研究費助成事業(研究課題/領域番号:23H00314)の援助を受けて行われました。

(今後の展開)

 ここで提案した界面設計手法は、酸化グラフェン膜以外のナノシート膜や、高分子膜でも効果があることがわかり、高出力の燃料電池を得るための有効な手段であることが示されました。今後、本技術が様々な固体電解質に導入されることで、燃料電池の高性能化が期待できます。

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