新しい研究によると、キンカチョウは自種の鳴き声を全て区別できるだけでなく、意味による整理もできるという。この結果は、この鳥が驚くべきレベルの意味理解力を有することを示唆している。多くの社会性動物は、多彩な鳴き声のレパートリーを使って、自分たちの要求や感情、環境への認識を伝えている。研究者たちは長年、こうした音(つまり、その種の「言語」)を理解すべく、音の特徴、使用される状況、他の動物の反応に基づいて、鳴き声をタイプ別に分類してきた。しかし、こうした分類がその動物自身の認識や意味理解を反映しているかどうかは不明である。キンカチョウは社会性の高い鳴禽で、多様な社会行動ごとに11種類ほどの鳴き声を使い分けているため、前述の問題を評価するのに有用なモデルといえる。キンカチョウの成鳥が自種の鳴き声をどのように分類するかを調べるために、Julie Elieらは12羽を使って実験を行った。その実験で鳥たちは、1種類の報酬あり鳴き声を、その他10種類の報酬なし鳴き声(よく知らない他種の鳴き声を含む)から区別する必要があった。Elieらは、これらの鳥が、自らの鳴き声レパートリーに含まれるあらゆる種類の鳴き声を区別する驚くべき能力をもっていることを見出した。これは、自種の鳴き声信号を正確に認識し、分類できる証拠である。さらに重要なことに、著者らは鳴き声の「誤分類」が、類似した行動状況や社会状況で使用される鳴き声タイプ間で多く起こることを見出した。このことは、キンカチョウが鳴き声を意味によって整理し、その背後にある意味の心的表象を形成していることを示唆している。
Journal
Science
Article Title
Categorical and semantic perception of the meaning of call types in zebra finches
Article Publication Date
18-Sep-2025