News Release

ヨーロッパ最大のコウモリははるか上空を飛んでいる渡り鳥を捕食する

Summary author: Walter Beckwith

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しい研究によると、ヨーロッパ最大のコウモリは、大半の捕食者がほぼ手をつけることができないでいる豊富な食料資源を利用しようと、地上高くを夜間飛行する渡り鳥を捕え、殺し、摂取しているという。この発見では、バイオロガーを用いた直接的な観察でヨーロッパヤマコウモリ(Nyctalus lasiopterus)のこの行動を確認している。数十億羽もの鳥が夜間に高い高度で長距離を季節移動する。この巨大な群れは捕食者にとって膨大な量の - 捕獲の難易度は高いが - 食料資源である。しかし、このチャンスを利用することが知られているのはヨーロッパヤマコウモリなどの高速で飛び、エコーロケーションを行うわずか3種のコウモリで、それらは、体格が比較的大きく、空中で逃げる能力を持つ、夜間飛行中のスズメ目の鳥を捕獲している。しかし、これらの活動を示す直接的なエビデンスは少なく、そのエビデンスも主にコウモリの糞の中の残骸に基づくものである。これらのコウモリがそのような手強い獲物をどこで、どのように捕獲しているかは依然としてわかっていない。

 

Laura Stidsholtらはこの不明点に取り組むべく、高解像度のバイオロギングタグを14羽のヨーロッパヤマコウモリに装着し、高度、エコーロケーション、3次元の動きを記録し、コウモリの狩猟行動を追跡した。Stidsholtらは、通常の低高度での短時間の昆虫狩りとは対照的な、注目すべき2回の襲撃を詳しく観察した。コウモリは400メートルを超える高度まで上昇して標的にする獲物を定め、その後、急下降し、長時間にわたってその獲物を追跡した。1回の追跡で、コウモリはエコーロケーションのバズ音を40回以上も短い間隔で発した。これは一つの標的を持続的に追跡していることを示している。1回目の襲撃は失敗に終わったものの、もう1回の襲撃ではヨーロッパコマドリの捕獲に至り、それはコマドリの遭難声の音声記録で確認された。捕獲後、コウモリはおそらくコマドリが死に至るまで噛み付いて、仕留めた。エコーロケーションコールの間に記録されたその後の咀嚼音は、コウモリが高度を落とさずに23分間の飛行中にコマドリを食べ続けたことを示している。コウモリの猟場の下で収集された鳥の翼をコウモリのDNAバーコーディングとX線を使って分析した結果、ヨーロッパヤマコウモリ独特の噛み跡が見つかった。Stidsholtらによると、これは、コウモリが飛行中に獲物の翼を噛みちぎって動けないように、また、抵抗できないようにして、獲物を扱いやすくしたことを示唆しているという。大型昆虫の捕獲に使用する空中鷹狩り戦略を連想させる技である。空中でのこの獲物の扱い方は、一般的に止まり木に止まった状態で大型の獲物を摂取する猛禽類やその他の肉食コウモリとは著しい対照をなしている。


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