News Release

EPAの因果関係の枠組みに対する変更案への懸念

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

今回のPolicy Forumでは、Gretchen GoldmanとFrancesca Dominiciが米国環境保護庁(EPA)における最近の動向に対して懸念を示している。「この機関が国民を環境大気汚染から守るために頼りにしている、長年かけて実証された科学的裏付けのある方法が、ひそかに覆されそうだ」というのである。GoldmanとDominiciは、EPAによる大気汚染物質と健康影響の因果関係の扱い方に関する変更案に言及している。操作的因果関係というこうした因果関係に対する別の手法が、EPAの大気浄化科学諮問委員会(CASAC)で現在委員長を務めるTony Coxによって推進されている。CASACはEPA長官に独自の助言を行う立場にある。CASAC委員長であるCoxは、米国民の健康を守るために大気中粒子状物質の新基準を設定すべきかどうかに関して、委員会がEPA長官に対して行った科学的勧告の動向を監視することになる。著者らの説明によると、今回Coxが提案した手法では、データは因果関係を満たすために操作的因果関係の試験に合格しなければならないと主張しているという。この枠組みの想定では、より厳しい新たな大気質基準を実施するからには健康成果がはっきりと変化しなければならず、こうした直接的証拠がないかぎり、規制措置を取るべきではないとしている。さらにこの枠組みでは、疫学研究によってのみ大気汚染への曝露と健康影響とが関連しているという証拠が得られるが、因果関係は示されていないと主張している。Coxの手法には、機械学習などを利用した因果関係の試験がいくつか必要になる。「原理上は操作的因果関係は魅力的に見えるが、実際には、大気汚染と健康の観測データという点でこの要件を満たすことは不可能である」とPolicy Forumの著者らは述べている。著者らはいくつかの理由を挙げるとともに、この手法を標準化しようとする速さが心配だと述べている。彼らは提案された根本原理が最重要な考えに反していると述べることで、国民の健康を守るためには、人々を守りすぎるぐらいのほうがいいと結論付けている。「重要なことは、粒子状物質とオゾンの基準が緩和されれば、人々はその結果に苦しむということである」と彼らは締めくくっている。このPolicy Forumで論じた問題については、3月28日の会議で検討される予定である。

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