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Updates every hour. Last Updated: 19-Oct-2026 17:15 ET (19-Oct-2026 21:15 GMT/UTC)
16-Oct-2026
精神的ストレスが関節炎を再燃させる仕組みを解明
Chiba UniversityPeer-Reviewed Publication
千葉大学大学院医学研究院の田中繁 助教、中島裕史 教授、同大同院整形外科学の大鳥精司 教授、総合病院国保旭中央病院アレルギー・膠原病内科の加々美新一郎 部長、国際医療福祉大学成田病院アレルギー・膠原病内科の廣瀬晃一 教授らの研究グループは、落ち着いていた関節炎が精神的ストレスによって悪化する仕組みを明らかにしました。本研究では、関節炎が寛解したマウスにストレスを与えるモデルを確立し、ストレスによる交感神経の活性化が、褐色脂肪組織注1)からのIL-6注2)産生を促し、IL-6が滑膜線維芽細胞注3)を刺激してCXCL1注4)を産生させることで、関節炎を再燃させることを見出しました。
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- Science Advances
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- Japan Society for the Promotion of Science, Japan Science and Technology Agency, Japan Agency for Medical Research and Development
15-Oct-2026
高い氷崖は急速に崩落するが、それだけで氷河の急激な後退を引き起こすとは限らない
American Association for the Advancement of Science (AAAS)Peer-Reviewed Publication
新たな観測によって、高い氷崖がこれまで考えられていたよりも速く崩落する可能性はあるが、南極の氷の減少に関する一部の予測で懸念されているような、急激な後退を引き起こす可能性は低いことが示唆された。氷床の氷は氷河や氷流によって海に運ばれ、最終的には海に張り出す棚氷や切り立った氷崖となる。海に張り出す棚氷が消失し、氷床が内陸に後退した場合、こうしてできた高い崖は不安定になり、崩壊する可能性があると指摘されている。この現象は「海氷崖不安定性(MICI)」として知られており、相次ぐ崩壊によって露出する高い氷崖が増えると、氷床の壊滅的な後退につながる可能性がある。しかし、MICIはこれまで直接観測されたことがないため、将来の氷の減少や海面上昇に及ぼす影響は依然として不明である。こうしたデータ不足に対処するため、Caroline Needellらは、2003~2023年の間に収集された航空機および人工衛星によるレーザー高度計の測定値を組み合わせ、南極大陸とグリーンランドの縁沿いにある氷崖の位置と高さを地図化した。
その結果、Needellらは、非常に高い氷崖はまれであることを見出した。南極大陸では、観測された氷崖のうち52.2メートルを超えるものはわずか5%であり、グリーンランドでは、76.6メートルを超えるものはわずか5%であった。どちらの地域においても、不安定になる閾値として以前提示された、約100メートルの高さに迫る氷崖はほとんどなかった。著者らによると、これら2つの氷床には大きな違いがあるにもかかわらず、氷崖の平均高さと最大高さは非常に似通っていた。また、最も高い氷崖は、氷河が海に向かって急速に流れている地域に集中していたという。今回の研究結果によって、氷崖の高さと最も強く関連しているのは、水深、氷河前面にあるアイス・メランジュの厚さ、および氷河末端付近のクレバスの量であることが示された。氷崖がMICIを引き起こしうる高さに迫ったときにどのように振る舞うかを検証するため、Needellらは高さ90メートルを超える氷崖をもつ16の氷河に注目した。そして、研究期間中に詳細な反復観測が行われ、かつ測定可能な後退が見られた氷河を4つ確認した。彼らは、これらの高い氷崖が、これまで考えられていたよりも急速に崩落する傾向があることを見出した。しかし、急激に後退する可能性は、内陸部における氷厚の勾配に大きく依存する。氷厚の変化が緩やかであると、不安定な状態が続くのに必要な氷の蓄積が制限されると考えられる。Needellらは、これらの研究結果を南極西部の脆弱なスウェイツ氷河に当てはめ、棚氷の崩壊によって現在の接地線に高い氷崖が露出しても、MICIに起因する後退が直ちに起こる可能性は低いであろうと主張している。
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15-Oct-2026
大気の状態で動物が飛行する際のエネルギーコストが決まる
American Association for the Advancement of Science (AAAS)Peer-Reviewed Publication
17年間の観察記録を用いて鳥類とコウモリ類、50種のデータを調査した結果、飛行に必要なエネルギーコストは予測でき、それはどんな場合でも、泳いだり、休息したりといった他の種類の動きに必要なコストより大きいという従来の見解に疑問を投げ掛ける知見が得られた。新たな研究は、鳥類とコウモリ類は風や上昇気流を利用することで移動に必要なエネルギーを大幅に減らせることを示している。しかしこれらの環境効果はこれまで、飛行コストの推定においてほぼ見落とされていた。現在、動物界における移動のエネルギーコストは主に実験室研究に基づいて推定されており、動物が野生の中で遭遇する多様な環境条件は考慮に入っていない。自然界では、動物はより少ないエネルギーで長距離を移動するために、空気や風の流れを常に利用している。これらの効果は飛行する動物にとって特に重要である。風によって移動速度が大きく変わったり、上昇気流によって鳥類はほぼ羽ばたく必要なく空に舞い上がり、非常に低いエネルギーコストで膨大な距離を移動できたりする。大気の状態が鳥類の飛行行動にどう影響するかの研究は行われてきたが、これらの条件がエネルギー消費に及ぼす実際の効果についての直接的な測定は行われていない。Martina Scaccoらは今回、現実世界の環境下で移動する際の実効コスト - 飛行する動物が一定の距離の移動に使うエネルギー - を測定した。彼らは、850個体の動物から得た17年間の高解像度GPS及び加速度センサー測定値と、補足として小型種のレーダー観測値も使用し、体の大きさが3桁(約12グラムから11キロ以上)にわたる鳥類とコウモリ類、50種のデータを分析した。地球規模のバイオロギングデータセットからは、持続飛行中に動物が羽ばたいたり、その対比として、帆翔したり滑翔したりする頻度を分析し、様々な種と環境条件での飛行のエネルギーコストを比較することができた。
今回の研究結果は、野生の中で飛行する際のエネルギーコストはその動物が大気状態をどの程度活用するかにかかっていることを示している。空に舞い上がろうとする鳥類、特に大型種は、上昇気流やその他の大気の流れを利用することでエネルギー消費を大幅に減らすことができる。こうすることで飛行のエネルギーコストは、泳ぐ、更には休息する際のレベルにまで下がることもある。対照的に、頻繁に羽ばたく種の飛行コストは一般的に実験室での予測に近く、風の状況による変動が大きい。Scaccoらによると、今回の研究結果は、飛行にかかるエネルギーコストは主に体の大きさと生体力学に基づいて推測できるという従来の見解に異議を唱えるものだという。むしろ、大気状態は飛行動物のエネルギーランドスケープにとって欠かせないものであり、動物の移動、渡り、及び環境変化に対する反応のモデルに組み込むべきだと主張している。関係するPerspectiveではAnders Hedenströmが、「Scaccoらの研究結果は、研究者らに、デバイス追跡技術の更なる発展と様々な飛行様式の代謝コストについて詳細な風洞実験の実施を促すものである」と書いている。
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15-Oct-2026
ケトン還元反応の位置・立体選択性の同時予測に成功
Yokohama National UniversityPeer-Reviewed Publication
横浜国立大学大学院理工学府の坂口大門(大学院生)、大学院工学研究院の五東弘昭准教授らは、2種類のケトンを同時に還元する競争反応実験で得た相対反応速度を、分子の本質を表す立体電子状態と機械学習に結び付ける手法を開発しました。
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- JACS Au
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- Tokyo Ohka Foundation for The Promotion of Science and Technology, Japan Science and Technology Agency, Japan Society for the Promotion of Science
15-Oct-2026
「電子のふるまい」を手がかりにAIが新物質を設計 ―狙った性質をもつ結晶の生成成功率を最大約4倍に―
Institute of Industrial Science, The University of TokyoPeer-Reviewed Publication
東京大学 大学院工学系研究科マテリアル工学専攻の奥田 伊武来 大学院生、同高原 泉 大学院生、同大学 生産技術研究所の溝口 照康 教授の研究グループは、狙った性質をもつ新材料をAIで設計する「逆設計」において、AIが結晶構造と原子まわりの電子状態(電荷と状態密度)を同時に生成する新手法を開発しました。性質を指定すると生成される構造の安定性や多様性が低下する従来の課題を改善し、検証した条件の中で最も厳しい条件では、目的の性質を持つ新物質が得られる割合を従来の約4倍に向上させました。
各原子がどれだけ電子を保有しているかを示す「Bader 電荷」と、そのエネルギー分布を示す「原子分解電子状態密度」を、結晶構造と同時に生成する枠組みを開発しました。検証した条件の中で最も厳しいバンドギャップと生成エネルギーを同時に条件として課す設定で、成功率は既存モデルの0.9%から3.5%へ向上し、新規性・熱力学的安定性・化学的妥当性も同時に改善しました。電子状態の情報をわざと壊した対照実験では性能が向上せず、性能の向上をもたらしているのは変数の数ではなく電子状態の物理的な中身であることを実証しました。
生成された結晶構造には電子状態の情報が最初から付随するため、第一原理計算を行う前の段階で有望な候補を絞り込めます。半導体、触媒、蓄電池など電子の状態が性能を左右する材料の探索を加速するほか、「物理的に意味のある量を生成過程に組み込む」という設計思想は、半導体や電池、触媒など様々な材料へも展開できます。
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- npj Computational Materials
14-Oct-2026
原子分光で原子核を探る
National Institutes of Natural SciencesPeer-Reviewed Publication
自然科学研究機構核融合科学研究所、電気通信大学、クレムソン大学、グルノーブル・アルプ大学を中心とする国際共同研究グループは、電気通信大学の実験装置Tokyo-EBITを用いた原子分光によって、原子核半径を評価する新しい手法を実証しました。研究グループは、高階電離した原子『多価イオン』が放出する極端紫外光の高精度波長計測を行いました。実験で得られた精密な原子のエネルギー準位と、最新の原子構造計算の結果を比較することで、原子核由来のエネルギーシフトを正確に評価し、核半径の情報を引き出すことに成功しました。
今回の研究対象は、自然界に存在する希土類元素のルテチウム(Lu)とイッテルビウム(Yb)です。これらは、元素周期表で隣接しています。研究グループは、新手法を用いてこれらの原子核の大きさの差を評価しました。その結果、従来の推奨データベースで示唆されていた「ルテチウムの原子核が隣接元素より大きい」という異常な傾向が誤りであることを示し、原子核半径に見られる偶奇性(Odd-Even Staggering)※1が本来の形で回復されることを明らかにしました。ただし、本実験では、現在広く用いられている核構造の理論計算で説明できないほど大きな偶奇性が示され、実験と理論の不一致が新たな課題として提起されました。
本研究は、多価イオン分光による新しい核構造研究の可能性を示すとともに、重い原子核の構造を理解する上で新たな課題を提起するものです。
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- Nature Communications
- Funder
- NIST Center for Neutron Research, National Science Foundation, U.S. Department of Energy, Japan Society for the Promotion of Science
9-Oct-2026
硬い二量体から柔軟な集合体まで―糖鎖をつくる酵素の多彩な動きを捉える
National Institutes of Natural SciencesPeer-Reviewed Publication
高速原子間力顕微鏡(HS-AFM)と溶液中の分子を調べる手法を組み合わせ、糖鎖をつくる酵素が、硬い二量体から柔軟に動く集合体まで、多彩な姿と動きを示すことを明らかにしました。POMGNT2は2分子が組になった硬い二量体を保つ一方、LARGE1は分子内の部分同士が柔軟に動き、濃度によって分子の集まり方も変わりました。K4CPでは、分子内の部分同士が大きく開閉する様子を捉えました。これらの発見は、糖鎖合成酵素の形や動きの多様性を明らかにするとともに、分子の硬さや柔軟さが、それぞれの酵素の働きを支える可能性を示しています。
- Journal
- International Journal of Molecular Sciences
- Funder
- JST-CREST, JST FOREST Program, Human Glycome Atlas Project, MEXT/JSPS KAKENHI, ExCELLS Advanced Co-creation Platform, ExCELLS "Golgi Atlas Project", Grant-in-Aid for Outstanding Research Group Support Program, Nagoya City University, Joint Research of the Exploratory Research Center on Life and Living Systems (ExCELLS), MEXT Coalition of Universities for Research Excellence Program (CURE), MEXT Project for promoting public utilization of advanced research infrastructure, AMED (Platform Project for Supporting Drug Discovery and Life Science Research, BINDS)
8-Oct-2026
エピジェネティック時計により、なぜ大型犬の方が速く老化するのかが判明
American Association for the Advancement of Science (AAAS)Peer-Reviewed Publication
大型犬の方が小型犬より寿命が短い傾向があるのはなぜか。約900頭の犬を対象とした新しい研究によると、その答えは犬のエピゲノムに書き込まれていると考えられる。今回の研究結果から、大型犬やオス犬は、X染色体や転移因子(TE)でDNAメチル化(DNAm)が顕著になり、分子老化が加速していることが明らかになった。老化は普遍的プロセスであるが、その速度と生物学的メカニズムは個体間や種間で大きく異なる。飼い犬は、体の大きさによって寿命が大きく異なるため、老化についての生物学の解明に特に有用なモデルである。例えば、小型犬種は大型犬種より約2倍長く生きることもある。更にペットとなれば、人間と同じ環境で暮らし、市販のフードを食べ、定期的に医療を受けているため、遺伝的背景や環境曝露が老化を進める仕組みの研究にとって適切なトランスレーショナルモデルになる。しかし、体の大きさや生物学的性といった内在性の要因が犬の老化と寿命のばらつきにどう影響するかは依然としてわかっていない。これまでの研究で、DNAmは生物学的老化の有用な指標であること、また、「エピジェネティック時計」は生物学的老化を加速したり減速したりする要因を解明する手段であることが示されている。
Blaise MarinerらはDog Aging Projectの894頭の犬集団から1,640のメチロームを生成し、これらの分子データを詳細な遺伝子及び個体群統計データと組み合わせた。その結果、最も急速な分子老化は生涯の初期に起こっていることを発見した。更に、大型犬とオス犬 - どちらも小型犬とメス犬より短命 - は分子レベルでの老化が早かった。Marinerらは、これらの結果の根底にある様々なエピジェネティックパターンを特定した。その結果によると、性別が関係するメチル化の変化はX染色体上に集中し、一方、体の大きさが関係する変化はゲノムの安定性と遺伝子の調節に影響しうるDNAの領域、つまりTEにおいて特に顕著であったという。
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8-Oct-2026
ヒトの腸マイクロバイオームがワクチンの副作用に影響を与える
American Association for the Advancement of Science (AAAS)Peer-Reviewed Publication
ワクチン接種後に発熱するかどうかの決定にヒトのマイクロバイオームが関与している可能性があることが、新しい研究で示された。この知見は、将来的に、マイクロバイオームそしておそらく食生活を標的とすることで、ワクチンによる免疫防御効果を損なわずにワクチンに関連する炎症を軽減できる可能性があることを示唆している。ワクチンは公衆衛生を確保するための重要な手段であるが、免疫反応や副作用には大きな個人差がある。発熱やインフルエンザ様症状は、ワクチン接種後に最もよくみられる副反応の一つであり、特にmRNAワクチンや脂質ナノ粒子ワクチンで多くみられる。このような反応は、将来のワクチン接種を躊躇させ、ワクチン接種へのためらいや不信感を引きおこす可能性がある。しかし、ワクチン接種を受けたすべての人が発熱するわけではなく、発熱する人は複数回の接種によって発熱する傾向があり、発熱に関する個々のリスク因子の重要性が示唆されている。このような違いの理由はよくわかっていない。
本研究で、Kelsey Huusらは、免疫活性に影響を及ぼすことが知られている腸マイクロバイオームが、これらの反応の発現に関与しているのではないかと考えた。この仮説を検証するため、Huusらは、健康成人171名を対象に、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチン接種前後の便中マイクロバイオーム、体温、および血液に基づく免疫マーカーのプロファイルを解析した。その結果、特定の腸内細菌、特にLachnospiraceae科の細菌がフラジェリンを産生し、これにより免疫炎症経路が活性化され、ワクチンに関連した反応が増強されうることが示された。ワクチン接種前の腸の炎症が大きかった人、または腸内のフラジェリン発現レベルが高かった人には、ワクチン誘発性発熱が生じる傾向がみられた。さらにHuusらは、工業化社会での食事がこの炎症活性を促進する可能性があることを明らかにした。ベジタリアン食は発熱の軽減に寄与するマイクロバイオームの特徴と相関する傾向があり、一方、未加工の植物性食品の摂取量が少ないことや脂肪や加工食品の摂取量が多い食事は、発熱に関連する炎症性マイクロバイオームと関連していた。食事を変更すると、マイクロバイオームの組成とそれに関連するワクチン反応がともに変化した。重要なことに、Huusらは、フラジェリン、炎症および食事は、ワクチンに対する抗体反応に影響を及ぼさないことを明らかにしている。このことは、マイクロバイオームによって引き起こされる炎症が、必ずしも免疫に影響を与えることなくワクチンの副作用を増加させることを示唆している。「食事、微生物生態系、および代謝状態は不変ではない。将来的には、ワクチンそのものが計画的に作製されるのと同じように、人々も計画的にワクチン接種に備えるようになるかもしれない。」と、関連するPerspectiveでBali Pulendranは述べている。
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