News Releases
Updates every hour. Last Updated: 19-Oct-2026 19:16 ET (19-Oct-2026 23:16 GMT/UTC)
30-Sep-2026
酸化状態を操るコバルト触媒で、医薬品原料の電解水素化を高選択的に実現
Yokohama National UniversityPeer-Reviewed Publication
横浜国立大学大学院工学研究院/先端科学高等研究院の信田尚毅准教授、跡部真人教授らの研究グループは、大阪大学、物質・材料研究機構、京都大学との共同研究により、安価で資源量の豊富なコバルトを用いて、窒素含有芳香族化合物の高選択的な電解水素化を実現する触媒を開発しました。
【本研究のポイント】
・安価で資源量の豊富なコバルト触媒を用いて、ピリジンなどの窒素含有芳香族化合物を常温・常圧で高選択的に水素化する電解反応を開発しました。
・反応中のコバルト触媒を大型放射光施設SPring-8で解析し、金属状態のCo(0)と酸化物状態のCoOxが適度な割合で共存することが高い触媒活性の鍵であることを明らかにしました。
・従来使用してきたロジウムなどの白金族金属を用いず、さらに一部の反応ではコバルト触媒の方がロジウム触媒より高い反応選択性を示しました。
- Journal
- Journal of the American Chemical Society
- Funder
- Japan Society for the Promotion of Science, Japan Science and Technology Agency
29-Sep-2026
気球観測Sunrise-IIIで太陽磁場の素顔に迫る
National Institutes of Natural SciencesPeer-Reviewed Publication
国際共同太陽観測プロジェクトSunrise-IIIで、国立天文台が主導して開発した観測装置が重要な活躍を見せました。太陽表面の大部分を占める静穏領域の上空に、従来の想定を超える入り組んだ磁場の構造が潜んでいることが明らかになりました。
- Journal
- The Astrophysical Journal Letters
- Funder
- Japan Society for the Promotion of Science, Institute of Space and Astronautical Science
29-Sep-2026
AIで進化する疾患の予測×分類×治療〜共同研究が拓く治療学の未来
Chiba University
SNSで「医師免許(Dr)、博士号(Dr)、ドラマー(Dr)のトリプルDr保持者です」とユーモラスにアピールする、大学院医学研究院の川上英良教授。疾患を早期に検知、予測するためのAI・データサイエンス技術の開発を研究テーマとしている。治療学人工知能(AI)研究センターのセンター長を務めるほか、千葉大学 データサイエンスコア(DSC)の運営会議でも中心的な役割を担うなど、多忙な日々を過ごす。
「いろいろな方向に向かって知的に探索するのが好き」と語る川上教授に、AIを活用する医学の目指すべき姿についてお話を伺った。
29-Sep-2026
Constanze Schelhorn博士、MDPIのチーフ・パブリッシング・オフィサーに就任
MDPI AGBusiness Announcement
オープンアクセス学術出版社大手のMDPIは、Constanze Schelhorn博士をチーフ・パブリッシング・オフィサー(CPO、出版部門の最高責任者)に任命したことを発表しました。学術出版を取り巻く状況が複雑さを増し、MDPIのジャーナル数も550誌を超えて拡大を続ける中、出版活動全体にわたる戦略的リーダーシップとガバナンスを強化するための人事となります。
27-Sep-2026
“見えない”を映し、“アニメ”を彩る~AIと物理が描く映像の未来
Chiba University
カメラは「目に見えるもの」を美しく撮影する道具―。そんな常識が変わるかもしれない。
「データを撮る方法を変えれば、AIの可能性はまだまだ広がる」。そう語るのは、大学院情報学研究院の久保尋之准教授だ。
皮下の血管や霧の中の車といった「目に見えないもの」を撮影する方法を研究しているが、撮影に使用するのは特殊な装置ではなく、一般のプロジェクターとカメラを応用したシステムだ。その成果はAIの発展にも大きく寄与する可能性があるという。
さらに久保准教授は、彩色の世界でもAIを拓く。人とAIが共同し、膨大なセル画の着色を効率よくこなすシステムを整え、アニメ制作のパフォーマンス向上を計るための研究も進めているという。
新たな地平の開拓に挑む久保准教授に、研究内容や今後の展望を伺った。
25-Sep-2026
瞳孔は「何を見たか」だけでなく「どう評価したか」にも反応する
Toyohashi University of Technology (TUT)Peer-Reviewed Publication
豊橋技術科学大学情報・知能工学系視覚行動研究室、視覚認知情報学研究室、認知神経工学研究室の研究チーム(代表者:田村秀希准教授)は、同じ物体画像を見ていても「光沢があるか」を評定するときと「魅力的か」を評定するときでは、瞳孔反応の時間的なパターンが異なることを明らかにしました。研究チームは、日常的な物体60種類の画像を実験刺激に用い、参加者が「光沢感」と「魅力度」をそれぞれ評価している間の瞳孔径を計測しました。二つの課題では全く同じ画像群を使用していました。実験の結果、光沢感を高く評価した場合には、刺激呈示後約1秒を中心とする比較的早い時間帯で瞳孔がより強く縮小しました。一方、魅力度を高く評価した場合には、より遅い時間帯で瞳孔がより散大する傾向が見られました。これらの結果は、同じ物体を見ていても、何を評価しているのかによって、瞳孔反応の時間的特徴が異なる可能性を示しています。
本研究の成果は、2026年9月1日付でJournal of Vision誌に掲載されました。
https://doi.org/10.1167/jov.26.9.1
- Journal
- Journal of Vision
- Funder
- JSPS KAKENHI, JSPS KAKENHI, JSPS KAKENHI, Tokai Pathways to Global Excellence (T-GEx), MEXT Strategic Professional Development Program for Young Researchers.
18-Sep-2026
プラスチックと融合したサンゴ片を確認 サンゴ礁生態系への新たな懸念
Okinawa Institute of Science and Technology (OIST) Graduate UniversityPeer-Reviewed Publication
「プラスティコーラル」(プラスチックとサンゴの融合物)は、これまでに報告された中で最も新しいタイプのプラスティグロメレートの一種で、家庭で使われるプラスチック製品由来のポリマーが溶けてサンゴ礫の骨格にある微細な孔へ浸透し、一体化することで形成されます。沖縄県内の海岸各地で確認されており、その中には自然保護区域であるやんばる国立公園内も含まれています。プラスティコーラルは、人間活動がサンゴ礁に与えている影響を物語る痕跡であり、サンゴやその生息環境に対して化学的・物理的な脅威となる可能性があります。
- Journal
- Marine Pollution Bulletin
- Funder
- Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University, University of the Ryukyus
17-Sep-2026
遺伝する稀な遺伝子変異が非喫煙者における肺がんリスクを高める
American Association for the Advancement of Science (AAAS)Peer-Reviewed Publication
遺伝する遺伝子変異が喫煙歴のない人において肺がんリスクを高める可能性があり、稀なEGFR T790M変異の保有者では肺がんリスクが全体で約25倍高く、喫煙歴のない人の場合には62倍も高いことが、新たな研究で示されている。さらにこの研究では、米国の南部アパラチア地域の集団においてこの変異の存在率の追跡が行われた。この地域には、植民地時代に英国およびアイルランドからの入植者によりこの変異が持ち込まれたと考えられる。肺がん症例の大部分はタバコ使用と関係しているが、喫煙したことのない人における肺がんは世界的な健康上の懸念としてますます重大さを増しており、喫煙に関係する肺がんが減少し続けているにもかかわらず、この懸念はこれからもなくならないであろう。しかし、肺がんに寄与するこうした遺伝性の遺伝子要因については、あまり理解が進んでいない。そうした重要な一例がEGFR T790M変異で、これは遺伝性であり、肺腺がんのリスクを大きく高め、特にがんを引き起こす第二のEGFR変異と組み合わさると顕著である。しかし、この変異は極めて稀であるため、これまでの研究ではその存在率や、それがもたらす肺がんリスクを正確に定量することができなかった。
より信頼性の高い推定値を得る目的で、Jaclyn LoPiccoloらはEGFR T790M変異と肺がんの関連を評価するため、ヨーロッパ系の337万人の遺伝子データの解析を行った。その結果、遺伝性のEGFR T790M変異の保有者では、肺がんリスクが25倍高く、またこの関連は喫煙歴のない人で特に強く、リスクを約62倍高めることが分かった。対照的に、喫煙者の場合には肺がんリスクの上昇は約4倍であり、これらのことからT790M変異は肺がんの強力な危険因子であり、それは特に喫煙歴のない人で顕著なことが示された。さらに、T790M変異は他の種類のがんや呼吸器疾患とは有意に関連しないことも分かった。また、EGFR T790M変異の保有者は米国の南部アパラチア地域、特にテネシー州とアラバマ州に偏って集中していることも分かった。このことから、この変異は欧州で生じ、植民地時代に英国およびアイルランドの入植者によって南部アパラチア地域に持ち込まれ、この地域の比較的孤立した集団において高頻度で見られるようになったことが示唆される。Stephen Chanockは関連するPolicy Forumで、この研究とその結果について詳しく紹介している。
- Journal
- Science
17-Sep-2026
万塔山(マンタプサン)での核実験は、断層の再活性化を介して遅延性地震活動を誘発した
American Association for the Advancement of Science (AAAS)Peer-Reviewed Publication
新たな研究によると、北朝鮮の万塔山で行われた地下核実験は、周辺地域の地殻に長期にわたり遅発性の影響を及ぼしており、核爆発終了後に何年間も地震活動が続き、強まってさえいるという。この研究結果は、過去に核実験が行われた場所を監視するうえで意味がある。また、この研究結果は、こうした爆発によって地震活動が静穏な断層が再活性化され、自然発生の地殻変動と区別しにくい地震を生じる可能性があることを示している。北朝鮮の万塔山の麓にある豊渓里(プンゲリ)核実験場では、2006年から2017年にかけて6回の地下核実験が実施された。2017年9月に実施された最後の核実験は、最も規模が大きかった。この核実験は爆発規模が推定100~250キロトンで、米国地質調査所(USGS)はマグニチュード6.3の揺れを観測したと報告した。さらに、衛星レーダー観測により、万塔山頂の顕著な地盤変形が報告された。これらの核試験に関する先行研究の多くは、位置、タイミング、規模の決定に重点が置かれていた。しかし、この地域の地震活動に及ぼした広範な影響については、依然として不明な点が多い。
この問題に対処するため、Xingli Fanらは、2008年以降に中国と韓国で記録された地震データ(核実験場から80~200キロメートル離れた観測点でのデータを含む)を解析し、万塔山周辺の地震活動が時間とともにどう変化したかを追跡した。Fanらは、2008~2025年に1,399回の局地地震を確認した。これは過去の地震カタログの記録よりもはるかに多い。注目すべきことに、著者らは、2017年の核実験後に発生した万塔山周辺の地震活動が、過去の核爆発に伴う一連の地震活動とは異なる挙動を示したことを見出した。過去の事例では、そうした地震活動は短期間で収束し、実験終了後には急速に減衰する傾向があった。一方、2017年の実験後、地震の回数は核爆発の約3週間後に増加し、2025年まで頻度も規模も増大し続けた。高精度の位置特定により、今回の地震は、おおよそ北北西方向に延びる2つの断層構造(以前から存在していた、あるいは以前は認識されていなかった断層)に沿って集中していたことが明らかになった。このことは、ランダムな地震活動ではなく、持続的かつ組織的な断層の再活性化であることを示している。Linらは、度重なる核爆発によって浅部地殻が次第に損傷し、その内部応力場が変化したことで、すでに崩れかけていた断層が数年にわたって徐々に活性化したと主張している。
- Journal
- Science