14-May-2026
USAIDの縮小がアフリカ全土における暴力的紛争の激増の引き金に
American Association for the Advancement of Science (AAAS)Peer-Reviewed Publication
新しい研究の報告によると、2025年初頭のUSAID(米国国際開発庁)の縮小は、アフリカ大陸の大半の地域における暴力的な紛争の大幅な増加と関連しているという。関係するPerspectiveではAxel Dreherが次のように書いている。「この結果は援助が増えれば紛争が減ることを示すエビデンスだと、当然ながら解釈したくなる。しかしそれは誤解を招く。著者らが明らかにしたのは、突然の予期せぬ混乱という結果である。突然の援助停止によって資金はなくなる。加えて、契約や人材の採用配置、様々な調達プロセス、今後の見通しも中断する。地方自治体、仲介業者、市民は、資金不足のみならず契約の不履行にも直面する可能性がある。したがってこの結果は、援助そのものの欠如と同じくらい組織の混乱を映し出すもので、段階的な援助削減の結果とは大きく異なると考えられる。」USAIDは世界最大の対外援助組織の1つである。その活動地域は100ヵ国を超え、公衆衛生や農業から教育、災害救助及び民主主義制度まで、新しい取組みで支援を行った。しかし第2次トランプ政権が発足から1週間足らずでUSAIDに大幅な予算削減を言い渡し、60年以上にわたる米国の外交政策が激変した。新しい医学研究は既にこれらの削減を深刻な人道的結果と関連付け、更に数百万もの死者が出る可能性があるなどとしている。ただ、突然の対外援助停止による政情不安や様々な種類の暴力、例えば、武力衝突、抗議行動や暴動、民間人への攻撃などの深刻な事態についてはあまりわかっていない。
Dominic Rohnerらはこのギャップに対応すべく、アフリカ大陸の大部分をカバーする870の地方自治体でのUSAIDの資金削減による紛争への影響を調査した。彼らは解析を行うために2つの詳細なデータセット、世界中の対外援助に関連する支出とプロジェクトの位置を追跡するGeocoded Official Development Assistance Dataset(GODAD)と、暴力的事態を記録するArmed Conflict Location and Event Data(ACLED)を組み合わせた。これら2つの情報源を併用することによって、Rohnerらは、過去の援助配分のパターンとそれに続く暴力的事態のパターンを結び付け、これまでUSAIDからの援助が大きかった地域ほど援助停止後に様々な紛争が増えたかどうかを評価することができた。その結果、USAIDの援助停止は、特に米国から多大な援助を受けていた地域における暴力的紛争、武力衝突、抗議行動、暴動の激増と関連していることが示された。これらの結果はUSAIDの援助停止直後に現れ、数ヶ月間続いた。更にRohnerらは、地方自治体の組織的強度がこれらの結果に更なる影響を及ぼしていることを発見した。具体的には、弱い自治体では援助削減後に紛争が顕著に増加し、強い自治体では悪影響はかなり少なかった。
研究インテグリティ問題にご興味のある記者の方へ:Dominic Rohnerは次のように述べています。「科学インテグリティは極めて重要です。現在はAIを用いることで論文作成が低価格化し、そうして作成された論文には科学的基準を満たさないものもあります。学界と主要な学術誌の役割は、最先端の研究と低品質の成果の間のスクリーニングを行うことです。人類の進歩は健全な科学的知識にかかっています。広く入手可能な健全な情報と知識は、政府責任のための前提条件であるのみならず、経済的繁栄も実現します。経済学の分野では現在、主要学術誌が厳密なオープンデータと複製要件を導入し、科学インテグリティの促進を目指しています。
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