12-Feb-2026
長江では禁漁により70年にわたる淡水生物多様性の減少が止まる
American Association for the Advancement of Science (AAAS)Peer-Reviewed Publication
数十年にわたり生態系が衰退していた中国の長江は、商業漁業が全面的に10年間禁止されたことにより、回復の初期兆候を示していると、研究者らは報告している。研究結果によれば、魚類の生物量は2倍以上になり、絶滅危惧種は回復しつつあるなど、世界最大の河川システムの生態系が慎重ながら復活し始めている可能性があるという。1950年代以降、中国が急速に経済発展した結果、同国で最大かつ最長の河川である長江では淡水生物多様性が大幅に減少した。これは主に数十年にわたる乱獲と生息環境悪化によるものであった。保全への大規模投資と水質改善にもかかわらず、生物多様性は失われ続け、従来の回復活動の有効性に疑問が投げかけられていた。これを受けて、2021年、中国は長江全流域で前例のない10年間の禁漁を実施するとともに、厳格な取り締まりと包括的な環境管理を実施した。
今回、Fangyuan Xiongはこうした政策介入の成果について評価を行っている。Xiongらは長江に生息する魚類群集を禁漁前後で評価するため、2018年から2023年のデータを用いて魚類の生物量、身体状態、種の多様性、および絶滅危惧種の有無を比較した。研究結果によると、禁漁の実施後、長江は生態回復の初期兆候を示しており、魚類の生物量は2倍以上になり、種の豊富さはやや増加した。回復が特に顕著だったのは体が大型で高い栄養段階にある種であり、そうした種は以前よりも個体数が増え、健康状態も向上していた。さらに、数種の絶滅危惧種および回遊種、ならびに近絶滅種であるヨウスコウスナメリも個体数が回復している。改善の最も重要な単一要因として禁漁が浮上したが、水質改善、流況調整、土地利用管理といった補完的措置も重要な役割を果たした。総合すると、本研究結果によって大規模な禁漁が迅速な生態改善を促進し得ることは示されたものの、生物多様性の回復が続くか否かは、継続的かつ統合的な流域管理を行って、河川システムに対する人間のあらゆる圧力に対処できるかどうかにかかっている。「本研究で報告した成果は……地球規模で生物多様性が減少している時代において、大規模な回復活動を支援するような野心的な政策決定が、過去の生態系被害を逆転させ、より明るい未来をもたらし得るという希望を与える……」と、Xiongらは述べている。
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