物理学は、潮の満ち引きに対する重力の影響を理解したり、顕微鏡のような高度な物理装置を用いて細胞の内部構造を探ったりするなど、自然界のさまざまな現象を解明するのに役立ってきました。ところが近年では、物理学に新たな洞察をもたらすために、生物学的なシステムに注目する研究が増えています。今回、研究者らはイカの皮膚を研究することで、「超乱雑性(hyperdisorder)」と呼ばれる物理現象が生物において初めて確認されることを明らかにし生物の成長が物理現象にどのような影響を及ぼすのかについて新たな理解が得られました。
沖縄科学技術大学院大学(OIST)の学際的研究チームが、イカの皮膚細胞の成長がパターン形成に与える影響を明らかにし、その研究成果が『PRX』誌に掲載されました。実験的なイメージング手法と理論的モデリングを組み合わせることで、これらの細胞の独特な配置について新たな知見を得るとともに、さまざまな成長システムに応用可能な超乱雑性の汎用モデルを構築しました。