1-Oct-2025 EXPERT-Jプログラムにより、さらなるグロバールな科学研究の卓越性を推進 Okinawa Institute of Science and Technology (OIST) Graduate University Business Announcement この度、沖縄科学技術大学院大学(OIST)は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「グローバル卓越人材招へい研究大学強化事業(EXPERT-J)」に採択されました。
1-Oct-2025 菌類は、これまで考えられていたよりも数億年も早く、陸上生命の舞台を整えていた Okinawa Institute of Science and Technology (OIST) Graduate University Peer-Reviewed Publication 沖縄科学技術大学院大学(OIST)の研究者らが主導した新たな研究成果が、『Nature Ecology & Evolution』誌に掲載されました。本研究では、菌類の進化のタイムラインや進化経路に光を当て、古代の陸上生態系に与えた菌類の影響を示す証拠を明らかにしました。その結果、陸上植物が出現する数億年前には、すでに菌類が多様化していた可能性が示唆されています Journal Nature Ecology & Evolution Funder European Research Council, Biotechnology and Biological Sciences Research Council, Gordon and Betty Moore Foundation, Leverhulme Trust, John Templeton Foundation, Spanish Ministry of Science and Innovation, Catalan Research Agency (AGAUR), European Union's Horizon 2020 programme, Gordon and Betty Moore Foundation, “la Caixa” Foundation, Instituto de Salud Carlos III, National Research Development and Innovation Office, European Research Council, FJS2021-046869-I funded by MCIN/AEI/10.13039/501100011033 and by European Union NextGenerationEU/PRTR, RYC2023-042807-I funded by MICIU/AEI/10.13039/501100011033 and by FSE+, Beatriu de Pinos programme, “la Caixa” Foundation, Janos Bolyai Research Scholarship of the Hungarian Academy of Sciences
30-Sep-2025 Gen-AIの画期的進歩を披露、Insilico MedicineがPharma.AI四半期ローンチの秋版を発表 InSilico Medicine Business Announcement 臨床段階の生成人工知能(AI)主導創薬企業であるInsilico Medicine(「Insilico」)は本日、10月2日午前10:00-11:00(東部標準時)にPharma.AI四半期ローンチシリーズの第3版を発表することを発表しました。このバーチャルイベントでは、PandaOmics、Generative Biologics、Chemistry42、Science42: DORA、PreciousGPTを含む主要アプリケーションの大幅なアップデートを、インタラクティブなデモと実世界のケーススタディを通じて詳しく紹介します。
26-Sep-2025 不確実な生体集団を制御する新理論を開発――制御と情報を融合した手法で多様な生物現象への応用に道―― Institute of Industrial Science, The University of Tokyo Peer-Reviewed Publication 東京大学 大学院情報理工学系研究科の堀口 修平 博士課程(研究当時)(現:金沢大学ナノ生命科学研究所特任研究員)と、同大学 生産技術研究所 兼 生物普遍性連携研究機構 小林徹也教授による研究グループは、細胞内分子群や動物個体群、感染症など、生体集団の示す不確実で予測が困難なふるまいを効果的にコントロールするための新たな理論を開発し、分子モーターの最適な輸送制御則や、集団多様性を維持する最適戦略、そして、感染症の抑制方法などを導きました。 情報理論に基づく制御コストを活用することで、従来の制御理論で扱いが困難であった生体集団の動態制御を可能にする理論を構築し、特に急激に変化する制御が難しい集団では、集団の状態に依存して「いつ制御すべきか、いつ待つべきか」を自発的に切り替えるスイッチング戦略が効果的であることを明らかにしました。 本研究は、感染症流行の制御、がんの進行抑制、生物多様性の保全など、生命と健康に関わるさまざまな生体集団制御問題に対して、共通かつ汎用的な 制御理論の枠組みを提供するものであり、複雑生体系の理解と制御の高度化に貢献することが期待されます。 Journal PRX Life
26-Sep-2025 世界で初めてX線CTで先史時代の網を再現 Kumamoto University Peer-Reviewed Publication 熊本大学名誉教授の小畑弘己(おばた・ひろき)教授らは、これまでその構造がまったく不明であった縄文時代の網製品(漁網)を土器の中や表面に残る圧痕から復元することに成功しました。 縄文時代の網製品は実物が愛媛県の船ヶ谷遺跡(縄文時代晩期)から発見されていましたが、網の構造についてはまったく不明な状態でした。そこで、小畑教授らは、北海道の日高地方や石狩低地から発見される「網状混和物」を含む土器、さらには九州地方を中心に発見される組織痕土器の網圧痕に注目し、X線CTやレプリカ法などの手法を用いて、それらの撚糸のサイズや撚り方向、結び方、網目サイズなどを復元し、網の構造を復元するとともに、土器製作において、使用済みの漁網もしくは網製品が再利用されている事実を明らかにしました。 本研究は、これまで実物が少なく、立証できなかった縄文時代の網を、土器に残る痕跡「圧痕(スタンプ)」から復元するという着想と、それを可能にするX線CT技術から生まれたもので、世界でも初めての試みであり、高い学術的重要性と、同様の背景をもつ地域考古学の有機物製品の復元研究に寄与する可能性を秘めた研究と言えます。 Journal Journal of Archaeological Science Funder Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology
25-Sep-2025 「もしも」のシナリオ分析により、NIHの資金激減の影響が明らかに American Association for the Advancement of Science (AAAS) Reports and Proceedings Policy Forumの新しい記事の著者らは、2000年以降にFDAが承認した医薬品の約半数は、もしこの数十年の間に米国国立衛生研究所(NIH)の資金が40%削減されていたならば打ち切られていたであろう助成金による資金提供を受けた文献に支えられていると書いている。この記事でPierre Azoulayらは、仮定のもう一つの歴史について分析結果を提示している。「近い将来がここ数十年と似ていると仮定すると、私たちの分析は、NIHの予算の大幅削減 - 資金提供枠(funding margin)で実施されたものを含む - により、潜在的な医薬品承認の大多数に関連する研究が制限される可能性があることを示している」と彼らは述べている。NIHは、歴史的に世界で最も着実に支援されてきた生物医学研究助成機関の一つであるが、前例のない不確実性に直面している。2025年、NIHは既存の助成金を取り消したり、新しい助成金を遅らせたりし始めた。また、競争的助成金の資金は前年の水準を40%以上も下回った。そのうえ、トランプ政権の2026会計年度予算案では約40%の支出削減が提案されている。 Azoulayらは、そういった削減の潜在的影響を探るべく、「もしも」のシナリオ分析を行い、こういった削減が下流の創薬にどういった影響があるかを測った。彼らは、低分子医薬品に対する「リスクのある」助成金 - 1980年から2007年にもし予算が40%削減されていたならば打ち切られていたであろう助成金 - に焦点を当てた。2000年から2023年に承認された557の医薬品のうち、40がNIHの外部資金提供を直接認める特許を少なくとも一つは持っており、そのうち14はリスクのある助成金に支援されていることが判明した。また、研究の引用を見てみると331がNIHの支援する文献を少なくとも一つは引用し、286が40%の予算削減があれば打ち切られていたであろう助成金による資金を受けた研究を参考文献にあげていた。これらの発見は、現代の医薬品の大部分が公的資金を受けた科学に、多くの場合は重要な背景知識や方法、基礎研究を提供する間接的な経路を通じて支えられていることを示唆している。著者らはまた、リスクのある研究に関連する多数の医薬品は非常に価値が高いことも明らかにし、NIHの資金は医療革新の大部分を支えているのみならず、臨床的にも経済的にも重要な医薬品をも支えていることを実証している。 Journal Science
25-Sep-2025 解明:キノコを栽培するシロアリが侵入者から畑を守る方法 American Association for the Advancement of Science (AAAS) Peer-Reviewed Publication 一部のシロアリは、菌類(キノコ)と共生関係を築いている。新しい研究によると、菌類を栽培するシロアリは、大事に育てた作物に有害な菌類が侵入すると、熟練の庭師のように正確な反撃を開始し、有害な菌類に土の塊を覆いかぶせる。その土の塊には、菌類の増殖を抑制してくれる協力者である微生物が含まれているという。菌類を栽培するシロアリ(Odontotermes obesusなど)は、オオシロアリタケ属(Termitomyces)の菌類と重要な共生関係を保っており、菌園という特殊な培養室で菌類を栽培している。菌園は、シロアリにとって確実な食料源であるとともに、菌類にとって理想的な生息環境でもある。しかし、栄養豊富な菌園は雑草性の侵入菌類(特に、成長の早いPseudoxylaria亜属の菌類)をも引き寄せてしまい、放置すると、あっという間に作物を凌駕しかねない。Pseudoxylariaは通常、シロアリが世話をしている健康な菌園では抑制されているが、シロアリを取り除くとすぐにはびこることから、シロアリの活動が菌園を維持するうえで重要な役割を果たしていることが示唆される。シロアリは微生物を利用して雑草性菌類を駆除していると考えられているが、栽培している作物には害が及ばないようにしながら、そうした選択的な制御を実現する正確な行動メカニズムは、いまだによく分かっていない。Aanchal Panchalらの研究チームは、シロアリ(O. obesus)をさまざまな深刻度のPseudoxylaria発生にさらす実験を行った。その結果、シロアリが、侵入の深刻度に応じて戦術を調整しながら雑草性菌類を抑制するという、柔軟な行動をとることを見出した。 小規模な感染の場合、シロアリは汚染された菌園から積極的にPseudoxylariaを取り除き、それを土の塊(土粒)で覆い隠す。これにより、有害な菌類は酸素の乏しい土壌環境に効率的に隔離され、さらなる増殖は抑制される。一方、深刻な感染の場合、シロアリは感染部分を健康な菌園から完全に隔離し、必要であれば、その部分全体を土粒で覆って脅威を封じ込める。特筆すべきことに、シロアリが使用する土粒は単なる防壁ではなく、菌類の増殖を抑えるシロアリ由来の細菌をはじめとする、多様な微生物群集を含んでいることを、著者らは見出した。シロアリは、雑草性菌類が彼らの菌園を脅かすときにのみ、菌類の増殖を抑える土粒を使用し、健康な菌園に対しては使わない。Panchalらによると、これはO. obesusが非常に的を絞った防御戦略を進化させており、協力者である微生物を動員して有害な菌類のみと選択的に戦う一方で、有益な作物には害が及ばないようにしていることを示しているという。関連するPerspectiveでは、Aryel GoesとRachelle Adamsが、「Panchalらの研究結果によって、多角的な有害生物管理戦略の一環として、共生微生物を利用できることが明らかになった」と述べている。「関与している分子と、宿主の適応度との関係を理解すべく取り組めば、医学、農業、バイオレメディエーション(生物学的環境修復)に役立つ天然物の発見につながるような、有益な微生物が見つかるであろう」 Journal Science
24-Sep-2025 惑星を作る渦巻きのダイナミックな動きを初めて捉えた National Institutes of Natural Sciences Peer-Reviewed Publication 惑星が作られる現場である原始惑星系円盤の渦巻きについて、7年間にわたるアルマ望遠鏡の観測データを解析した結果、そのダイナミックな動きを初めて捉えることに成功しました。原始惑星系円盤の中で惑星がどのようなプロセスを経て作られるのか、その謎に迫る重要な知見です。 Journal Nature Astronomy Funder Japan Society for the Promotion of Science, Japan Society for the Promotion of Science, Japan Society for the Promotion of Science
24-Sep-2025 「暗い」バレートロニクスに光を当てる Okinawa Institute of Science and Technology (OIST) Graduate University Peer-Reviewed Publication 沖縄科学技術大学院大学(OIST)のフェムト秒分光法ユニットの研究チームは、原子レベルに薄い材料において、これまで捉えることが難しかった「暗い励起子(れいきし)」の変化の過程を世界で初めて直接観測しました。科学誌『Nature Communications』に掲載されたこの成果は、古典情報技術と量子情報技術の両分野における新たなブレークスルーにつながる重要な一歩となりました。同ユニットを率いるケシャヴ・ダニ教授は、その重要性を次のように語っています。「暗い励起子は、光との相互作用が本質的に少ないため、量子特性の劣化が起こりにくく、情報伝達媒体として大きな可能性を秘めています。しかし、その『見えにくさ』ゆえに、研究や制御は非常に困難でした。こうした課題に挑む中で、2020年にOISTで達成した画期的な成果を契機に、暗い励起子の生成・観測・操作への道を切り拓いてきました。」 Journal Nature Communications Funder Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University, Japan Society for the Promotion of Science, Fusion Oriented REsearch for disruptive Science and Technology, Japan Society for the Promotion of Science, Japan Society for the Promotion of Science, Japan Society for the Promotion of Science, Japan Society for the Promotion of Science, Japan Society for the Promotion of Science, Japan Science and Technology Agency
24-Sep-2025 6万個微小穴の並列デバイスで毎分300万個の細胞に分子送達、AI画像解析で単一細胞評価を同時実現 Toyohashi University of Technology (TUT) Peer-Reviewed Publication 豊橋技術科学大学とインド工科大学マドラス校の共同研究チームは、直径8–15 µm(8 µm時に最大約62,000孔)、深さ約20 µmの垂直スルーホールを持つマイクロ流体デバイスを開発しました。最大毎分300万個の細胞処理能力(細胞濃度2×10⁶ cells/mL、流量1.5 mL/min条件下)を実現し、深層学習(Mask R‑CNN)による自動画像解析と組み合わせることで、細胞内送達と評価を同時に高速化するプラットフォームを実現しています。多様な細胞に分子を素早く細胞内まで届け、その結果を数千単位の細胞で即座に数値化できます。 Journal Advanced Healthcare Materials